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あんしん住宅購入術
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更新日 : 20/04/22

バリアフリー新法・建築基準法改正と「収納」の変化

インテリアコーディネーター 森山ゆか 

バリアフリー新法がもたらしたものとは?

「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(バリアフリー新法)が施行されたのは平成18年(2006年)でした。

この法律は従来からあった「ハートビル法」(病院やデパートなど不特定かつ多数の人が利用する建物が対象)と、「交通バリアフリー法」(鉄道やバスなどの公共交通機関が対象)を統合する形で施行されたものです。

目的は高齢者や障がい者が肉体的・精神的に負担なく移動できるように、街や建物をバリアフリー化することにありました。

施行に伴い、集合住宅の設計・建設ではバリアフリーが前提となり、建設業者は原則として高齢者や車椅子の方が移動しやすいように床の段差を無くし、フローリングはフラットな設計・施工を行うようになりました。

バス・トイレやクローゼットの収納はこう変わった

現在はあまり見られなくなりましたが、昭和50年代に建てられた物件は、トイレやバスルームはタイル敷きで水洗いしやすいように一段下げたものが多くありました。

●バス・トイレの設計の変化

バリアフリー新法によってトイレの床はフラットになり、水洗いのためのタイルが使われなくなりました。それによって、トイレのシンク下にスペースが生まれ、収納量の多い設計が可能になりました。

●押入れ・クローゼットの設計の変化

押入れやクローゼットの扉の設計も変化しています。体の不自由な方も使いやすい片手開閉タイプが増え、両手で開ける扉は少なくなっています。

居室の収納もバリアフリー化が進んでいます。ツマミなどの突起がついた扉やアコーディオン方式に変わって、表板自体に切り込加工が施された観音開きのクローゼットが増えています。これだと、片手で開けやすく、指先の細かな動きも必要としません。

建築基準法改正で間口は狭く奥行きは長くなった

一方、同じく平成18年(2006年)頃、構造計算書偽装事件の発覚を受け、建築物の安全性確保に向けて、建築基準法等の一部を改正する法律案が可決されました。

それ以前の集合住宅では、柱位置や耐力壁の位置は間口8m以上を取る傾向がありましたが、上記改正によって、現在では間口7m弱に狭くし、奥行きを長く取る設計が多くなっています。

●家具購入や引っ越しの際は、サイズチェックを忘れずに!

奥行きが長くなると廊下の幅は、建築基準法で定められている最小幅60㎝〜75cm程度の物件が増える傾向にあります。

それによって引越しの際に、ソファなどの大型家具が入りにくいというケースも起こり得ます。実際、引越し当日になって家具が入らないことに気づき、クレーンで吊るしたという話もあります。

つい見落としがちなポイントなので、家具購入や引越しの際には、搬入経路のチェックを忘れないようにしましょう。

天井までの壁面収納が増えた

国立研究開発法人の建築研究所が調査した内容によると、本州の分譲住宅では、2LDK(70m²以下) 、3LDK(80m²前後) 、天井高2300〜2500mmが多いことがわかっています。

2LDK を70m²、 3LDKを80m²で実現させるためには、廊下などのデットスペースを最小にすることが求められます。

それによって、収納は最大限の量を確保するため、天井まで使うことが多くなっています。

また、居室の床面積をできるだけ広く見せ、かつ実用的に無駄なく使うために、床置きタイプの収納家具はできるだけ購入しないという人が増える傾向にあります。

バリアフリー新法以前の住宅をリフォームするなら

バリアフリー新法以前の物件を購入し、リフォームして住む方も多くおられます。収納部分のリフォームでよく見られるのが、押し入れの襖を扉に替え、内部の棚を撤去してハンガーパイプを設置するなどの方法です。

●収納の扉は折れ戸がおすすめ

収納スペースの扉にはいろいろなタイプがありますが、構造部を追加せず比較的安価にできる方法の中では、折れ戸がおすすめです。折れ戸なら大きく開閉でき、戸板が手前に出ることはないからです。

引き戸は両面を同時に開くことができないため、開口部が広い収納(押入れなど)では使いにくいものです。

また、クローゼットによく使用される観音開きタイプの開き戸は、戸板の幅が大きく開口部分に物が置けないため、有効床面積が狭くなってしまいます。

後付けタイプの収納を活用しよう

見えない部分は最大限にスッキリ収納し、見せる部分は棚板やキャビネット(壁構造材に直接打ち込む)などを後付けし、新たにスペースを作り出すのもおすすめです。最近、人気の方法です。

後付タイプは、入居後に棚を好きな場所に増やすことができるので便利です。実際に配置してみて、使いやすい場所を決めるとよいでしょう。

扉がついたコーナーキャビネット、トイレや水回り収納など、LIXIL社でも様々な後付けタイプの製品がラインナップされています。

後付けタイプは収納量が増え、インテリアとしてもスッキリおしゃれに作ることができます。入居後のプチリフォームでも検討されてはいかがでしょうか。

プロフィール】森山ゆか(もりやま・ゆか)

インテリアコーディネーター。料理研究家、フードスタイリストとしても活躍。幼い頃からインテリアと料理に興味を持ち、これまでに収集したお皿は1000枚超。

撮影で使用する食器を含め多くの調理用品、日用品、子供のもの、また趣味のアイシングの作品や旅行用品など、全てを自宅に収納。使いやすく美しい収納術は独創的で効率的、かつ実用的。友人知人とのホームパーティなど、様々なシーンで使える時短・簡単レシピをメインにした料理教室を主催、人気を呼んでいる。SNSでも美しい時短おもてなし料理とともに収納アドバイスも発信中。

※インスタグラムアカウント:https://www.instagram.com/moryyuka/?hl=ja

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